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2026年2月の調剤薬局業界M&Aまとめ

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2026年2月における調剤薬局業界のM&Aを解説します。今月は、2026年報酬改定の点数変更とその影響についてもまとめました。

この記事を見るとわかること

  • 2026年2月における調剤薬局業界の主要M&A
  • 2026年報酬改定の点数変更とその影響

目次

2月の代表的な公表M&A一覧

ファーマライズグループの積極的なM&Aは2026年も止まらず

調剤薬局業界において、2026年2月は1件のM&A事例が公表されました。

公表年月日

譲渡企業(売り手企業)

譲受企業(買い手企業)

形式

目的

2026年1月30日

(株)三幸メディカル[埼玉県]

ファーマライズホールディングス(株)[東証2796・東京都]

株式譲渡

首都圏における店舗網の更なる拡大とグループ全体での医薬品流通体制強化

ファーマライズホールディングス株式会社(以下、ファーマライズHD)は、株式会社三幸メディカル、大洋薬品株式会社及び有限会社平成薬品(以下、三幸メディカルグループ)との間で2026年1月30日に株式譲渡契約を締結したと発表しました(譲渡予定日は2026年2月13日)。

三幸メディカルグループは下表の通り、親会社の三幸メディカル社で医薬品卸売事業、子会社の大洋薬品株式会社及び有限会社平成薬品で「あすか薬局」の屋号にて調剤薬局事業を16店舗運営しています。

法人名

事業内容

純資産

売上高

営業利益

(株)三幸メディカル

医薬品卸売事業

164百万円

1,384百万円

19百万円

大洋薬品(株)

調剤薬局

230百万円

1,718百万円

66百万円

(有)平成薬品

調剤薬局

35百万円

211百万円

16百万円

<三幸メディカルグループ各社の事業内容及び財務数値>※(株)三幸メディカル:2025年3月期、大洋薬品(株):2025年7月期、(有)平成薬品:2025年9月期

本件の取得価額は1,600百万円(アドバイザリー費用70百万円を含む)と公表されており、ファーマライズグループとしては2024年1月のGOOD AID社(調剤薬局38店舗・取得価額非公表・株式譲渡)、2024年12月の寛一商店グループ(調剤薬局54店舗・取得価額31億円・事業譲渡)に続く大型案件の譲受となりました。

業界動向やグループ各社の財務数値を見ると、大洋薬品(株)及び(有)平成薬品にて運営する調剤薬局事業は埼玉県及び都内にてドミナント展開をしている点がファーマライズHDに高く評価されたと想定されます。

三幸メディカルグループは2022年11月に有限会社平成薬品(当時2店舗)をM&Aにて譲受しており、創業者の阪詰顕司氏からご子息の阪詰陽一氏に代表権及び過半数の株式承継を既に行っていましたが、業界動向や今後の更なる成長を目指し、本提携を決定されたものと考えられます。

ファーマライズHDは中期経営計画「Make a Leap 2027」にて、「調剤薬局事業以外の既存事業の再構築」と同時に「M&A対応の高度化」(M&Aの成果を早期に確実に得られるような仕組みづくりの推進)を掲げており、早期に既存事業との連携構築、利益率の向上に繋げられるかが重要となります。

業界のニュース

報酬改定の全貌が明らかに 医療モールなど一部店舗は大打撃

2月13日に厚労省より答申速報が発表され、個別改定項目についての詳細が明らかになりました。

今回の改定においては、過去の改定同様、調剤基本料の取得基準について一部条件見直しや刷新が行われ、影響は比較的小さかった薬局と大きい薬局が発生し、経営者の反応は二極化することとなりました。

改定の目玉の一つとされていた後発医薬品使用体制加算に関しては、基準が80%から85%へと引き上げられると同時に旧地域支援体制加算と併せて地域支援・医薬品供給対応体制加算への名称変更は実施されたものの、いわゆる加算項目自体の完全撤廃という状況にはならず、改定前と実質的に同一基本料を取得できた薬局に対しては大きな点数変更は発生しませんでした。

<例:1店舗運営、処方箋月1,000回、GE使用率90%超、地域支援体制加算2取得店舗の調剤基本料影響>

項目

調剤基本料

後発医薬品使用体制加算

地域支援体制加算

地域支援・医薬品供給対応体制加算

合計

旧点数

1取得:45点

3取得:30点

2取得:40点

ーーーーーー

115点

新点数

1取得:47点

ーーーーーー

ーーーーーー

3取得:67点

114点

変化分

+2点

△30点

△40点

+67点

△1点

但し、影響を大きく受けた薬局群も存在します。特に同一建物内の複数医療機関、いわゆる医療モール型の集中率を合算すると発表され、医療モール型店舗を運営する企業にとっては非常に大きな打撃となりました。例えば下記薬局においては、最悪のケースでは調剤基本料全体で63点のマイナスとなり、年間36,000回の処方箋を受け付けた場合22,680千円の技術料減少、改定後には営業利益が赤字転落することも考えられます。

<例:処方箋受付3,000回、医療モール型で旧基準における集中率が55%、新基準における集中率が95%、GE使用率90%超、地域支援体制加算2取得、グループ全体月間処方箋が10万回のA薬局の調剤基本料影響>

※地域支援・医薬品供給対応体制加算4及び5が取得できなかった場合

項目

調剤基本料

後発医薬品使用体制加算

地域支援体制加算

地域支援・医薬品供給対応体制加算

合計

旧点数

1取得:45点

3取得:30点

2取得:40点

ーーーーーー

115点

新点数

3イ取得:25点

ーーーーーー

ーーーーーー

1取得:27点

52点

変化分

△20点

△30点

△40点

+27点

△63点

項目

調剤報酬(※単価7,000円)

現在の営業利益率(※7.5%の場合)

現在の営業利益率(※10.0%の場合)

現在の営業利益率(※12.5%の場合)

旧点数

252,000千円

18,900千円

25,200千円

31,500千円

新点数

252,000千円

△3,780千円

2,520千円

8,820千円

まとめ

3月に入り、いよいよ調剤報酬改定の全貌が明らかになりました。

過去M&Aでの譲受を行っていた三幸メディカルグループが今回ファーマライズHDに譲渡を実行したように、M&Aによる譲受と譲渡は決して真逆の戦略ではなく、表裏一体の戦略であるといえます。

薬局経営においては、改定内容に対応していくことはもちろん、各種加算をどのように取得し、点数を積み上げていくかといった実務的な戦略もますます重要になってきます。スピカコンサルティングでは、制度理解だけでなく、実際の現場でどのように点数を取りにいくかというポイントまで含めた支援を行っています。

2028年/2030年の調剤報酬改定を今から見据えたときに、単独で経営を磨きながら変化に対応するべきなのか、グループに参画し、資本やノウハウを共有しながら共に成長していくのかを考える必要があります。

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担当者からのコメント アイコンこの記事の執筆者

本田 太一

京都府出身。5歳より始めたフィギュアスケートで7度の全日本選手権出場、2度のインカレ団体優勝の経験がある。関西大学経済学部卒業後、2021年に新卒で日本M&Aセンターに入社し、一貫して調剤薬局業界のM&A業務に取り組む。2024年スピカコンサルティングに参画。

担当者:本田 太一部署:調剤薬局業界支援部役職:調剤薬局業界支援3部 部長

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