2025年12月のエネルギー業界M&Aまとめ
2025年12月におけるエネルギー業界のM&A解説と、26年の見通しを予測してみました。
この記事を見るとわかること
- 2025年12月におけるエネルギー業界の公表M&A
- 2025年のエネルギー業界M&Aの振り返りと2026年の見通し
12月の代表的な公表M&A一覧
2025年12月のLPガス業界を取り巻くM&A動向は、業界の特性上、公表件数自体は少数となりますが、引き続き卸元による販売事業者に対する商権譲受の動きも継続されており、業界全体を通したM&Aに対する温度感は高い水準で維持されております。
公表年月日 | 譲渡企業(売り手企業) | 譲受企業(買い手企業) | 形式 | 目的 |
|---|---|---|---|---|
2025年12月19日公表(2025年11月30日実行) | (有)浜庄司プロパン商会[神奈川県] | 太陽サイサンガス(株)[神奈川県] | 株式譲渡 | 神奈川県におけるLPガス供給網の更なる強化 |
<2025年12月に公表されたLPガス業界におけるM&A事例>
Gas Oneグループにおける2025年10件目のM&Aに関するプレスリリースが発表されました。
譲受企業である太陽サイサンガス株式会社は、Gas Oneグループの地域統括会社である株式会社ガスワン南関東のグループ会社であり、有限会社浜庄司プロパン商会のグループインによって、神奈川県三浦市内2位の規模となる約2,000軒のお客様への供給体制となりました。
Gas Oneグループは2024年9月にホールディングス体制への移行に伴う組織再編を行い、M&A実行時の譲受母体が地域統括会社となりましたが、地域密着かつ総合的なサービス提供に向けて理想的な運営体制であると言えます。
お客様からの信頼、譲渡企業からの信頼を紡ぐためには、地域密着でのグループ運営は必須であり、地域エネルギー供給の責務を全うするうえでひとつの答えとなります。
2025年は「準備」の時間
2025年のLPガス業界の動向を一言で表すと、あらゆる販売事業者にとって、多方面で「準備」の時間であったのではないでしょうか。
年始より改正省令への適応に向けた本質的な準備が始まり、現在は施行からあっという間に半年以上が経過しております。適応状況は地域ごとに色濃く分かれておりますが、あらゆるオーナー様が、自社の未来を想い、それに向けた準備を実施した時間であったかと思います。
オーナー様の準備に対する思考は、年間を通じたLPガス業界のM&A市況にも表れていたと考えられます。2024年は顧客数10,000軒を超える販売事業者の戦略的なM&Aが散見されましたが、2025年の象徴的なM&Aと聞かれると、答えを悩むのではないでしょうか。
年月 | 譲渡企業名 | 顧客軒数(推定) | 譲受企業名 |
|---|---|---|---|
2024年1月 | 大陽日酸株式会社 | 30.0万軒 | アストモスエネルギー株式会社 |
2024年3月 | 株式会社フジプロ | 2.0万軒 | 株式会社TOKAI HD |
2024年4月 | 増田石油株式会社 | 3.0万軒 | アストモスエネルギー株式会社 |
2024年7月 | アクアクララレモンガスHD株式会社 | 30.0万軒 | 株式会社SMBCキャピタル・パートナーズ |
アクアクララ株式会社 |
<2024年~2025年における推定顧客軒数10,000軒を超えるM&A事例>
しかし業界の特性上、プレスリリース等での公表はごく一部の事例であり、引き続き卸元による販売事業者に対する商権譲受の動きも継続されており、業界全体を通したM&Aに対する温度感は高い水準で維持され、M&Aというソリューションは多くのオーナー様にとって、より一般的な選択肢となっていることに相違はありません。
2026年は「変化」のタイミング
2025年という準備期間を経て、2026年は全ての販売事業者にとって変化のタイミングとなるでしょう。
改正省令の施行から丸1年が経過し、事業形態の変化、組織構造の変化、近隣販売事業者の変化、また承継方針の変化など、あらゆる変化に向けた小さな意思決定が顕在化され、業界進化の流れはより加速することが想定されます。
また現政権による税制に対する考え方も大きな変化が予想されるなかで、オーナー様にとってはあらゆる選択肢をテーブルに載せ、机上の空論ではなく、日々解像度を高める必要がある時間と言えるでしょう。
重ね重ねになりますが、LPガス業界は成熟期を迎えております。あらゆる業界が大手4社に集約される世界観のなかで、販売事業者の総数は減少を続けており、オーナー様にとっても自社の未来像、営業戦略や財務戦略、地域連携などを考え続ける時間が続いているかと思います。
LPガスという画期的なエネルギーが普及して半世紀を超えて、地域の温かいを守り、お客様へ届け続けている販売事業者は、災害大国の日本においてなくてはならない存在です。都市ガスの普及や電化といった新エネルギーの波を越えながら、今後も地域におけるエネルギー供給の責務は継続します。
お客様の温かいを半永久的に守るために、スピカコンサルティングはM&Aという選択肢によって、オーナー様と伴走いたします。
我々が提供する「M&A支援」「バリューアップコンサルティング」は、オーナー様を取り巻く近い将来の見える化や、お客様の温かいを守るための選択肢を整理するひとつの手段です。丙午のごとく駆ける自社の輝く未来と、お客様の笑顔を想像しながら過ごす年始もひとつ有意義な時間であると思います。
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東京都出身。早稲田大学スポーツ科学部卒業後、2022年に新卒で中堅M&A仲介企業に入社。2023年より株式会社スピカコンサルティングに参画。