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経営・ビジネス業界別M&A
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物流業界2024年振り返り~物流M&A元年!潮目が変わった大再編年~

目次

2024年の物流業界におけるホットトピック

2024年の物流業界は“大きく潮目が変わった”象徴的な年であったといえる。
物流業界として多くの変化が起きるとともに、それぞれが業界再編を加速させる理由となった。

振り返ってみると、4月に改善基準告示が施行され、多くの企業がコンプライアンスを意識せざるを得なくなり、仕事の組み方、勤怠の管理など体制変更を迫られた。

5月には新物流二法が交付され、運送契約書面交付の義務化、CLO設置義務、軽貨物事業者への安全管理強化等が制定され、荷主を巻き込んだ物流改革を考えるフェーズに入った。

6月にはAZ-COM丸和HDのC&Fロジに向けたTOBの発表を皮切りに、大手企業のM&Aが活発化した。

10月には行政処分の厳罰化が3か月前倒しで施行され、国として物流企業への法令順守の厳格化の強いメッセージが出されたといえよう。
トラックGメンも大幅増員されるなど、荷主企業に対しても物流への考え方を改善する動きがあり、公取委は15年ぶりの物流特殊指定をイトーキに警告をした。

12月には全ト協坂本会長がトラック運送事業に更新制導入を柱とする新法の構想を表明した。また、足元の各指標に目をやると、有効求人倍率は2.8(11月時点、4月は2.57)と上昇傾向にあり、倒産・廃業件数が329件(11月時点)と過去最多を更新した。

このような業界ルールの変更を見てか、大手企業はこれまでの単独戦略ではなく、物流企業や荷主企業同士の「共同配送」に多くの企業が参入したことも印象的だ。トナミと西濃運輸が石川県と愛知県の共同配送を開始、日本郵便とセイノーHDで幹線輸送の共同運航において業務提携の基本合意を締結、伊藤園とコカ・コーラジャパンが共同配送を発表、住宅大手3社とセンコーが共同配送を開始するなど、大手企業も荷主を巻き込みながら協調戦略に舵を切るようになり、単独ではなしえなかったことを協力して実現するための積極的な行動を起こした。

2024年の大手物流業界の M&A

2024年の物流業界のM&Aは「業界再編の加速」を印象付ける事案が多かった。
中でも印象的なのは本紙の冒頭で紹介をしたC&FロジHDのTOB劇であろう。結果的にはSGHDがTOBを成立させたが、AZ-COM丸和HDが上場企業として積極的に再編を促そうという姿勢がうかがえた。

続いて、三菱電機ロジスティクスがセイノーと、アルプス物流がロジスティードと、準大手企業のナカノ商会がヤマトHDと資本提携し、業界を驚かせた。上流と下流を補完するM&A、拠点やアセット確保のM&A、メーカーの物流子会社の切り離し、様々なテーマでM&Aが行われた。

その他、経営者が株を買い戻すMBOなども加えれば、100億円以上の企業が10社もM&Aに取り組んだこととなる。上場企業のM&A件数に目を向けると2024年は85件(12月23日時点)であり、データの取れる1996年の12件から約7倍のペースで実行されている。

先に挙げた共同配送の取り組みと共に、もはや単独で成長していくことは大手企業含めて考えておらず、積極的に他社と手を組むことでより強固な物流ネットワークを築き、企業として付加価値を付け、企業価値を高めようとしているのが印象的であった。

担当者からのコメント アイコンこの記事の執筆者

山本 夢人

石川県出身、東京大学工学部卒。2010年に野村證券に入社し、その後土木資材メーカーで副社長となり経営に参画。2016年に日本M&Aセンターに入社し、入社以来一貫して業界特化型のM&Aに従事。2019年には全社MVPを受賞し最年少で部長職となる。2023年スピカコンサルティングに参画。運行管理者資格保有。

担当者:山本 夢人部署:物流業界支援部役職:取締役