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製造業
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DAISOホールディングスが長年見据えたターゲット、アートジャパンへの並々ならぬ想い

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DAISOホールディングスが長年見据えたターゲット、アートジャパンへの並々ならぬ想い
目次

ご成約概要

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譲渡企業譲受企業
会社名アートジャパン株式会社DAISOホールディングス株式会社
代表者氏名吉田 徳之川口 宗一
所在地宮崎県宮崎市細江3953番地 三重県津市芸濃町北神山1470番地の3
事業内容建機ゴムパッド製造建設機械・自動車・医療介護用ベッド部品の加工や自動化機械の設計製造等を手掛ける製造業グループ
譲渡時の年齢51歳 -

譲渡に至った経緯

  • DAISO社は、次期中期経営計画で更なる成長を描いており、建設機械業界をその中心マーケットと捉えていた。
  • 建機メーカーとの取引拡大には、既存事業以外も選択肢として模索していた。
  • その様な中、ニッチ市場である建機用ゴムパッドを製造するアートジャパンは、長年にわたり建機メーカーと直接取引をしており、同社は強い関心を寄せていた。

M&Aをしようと思ったきっかけ

  • 次期中期経営計画ではグループでの成長を重視していて、M&Aは不可欠な要素となっていた。
  • 過去にも、DAISO社として当該会社(アートジャパン社)の譲受を検討しており、創業者がファンド(JFUN)へ株式売却された後も、継続して関心を抱いていた。

M&Aを通じて叶ったこと
良かったと思うこと

  • 建機業界に対してゴムパット分野への進出。
  • グループとして建機メーカーへの提案の幅が拡大。
  • 両社の拠点を活かしたビジネス機会獲得の広範囲化。

ご成約インタビュー

建設機械部品や自動車部品の設計・製造などを手掛けるDAISOホールディングス株式会社(本社:三重県津市、代表者:代表取締役 川口 宗一)は、建設機械向け路面保護ゴムパッドメーカーであるアートジャパン株式会社(本社:宮崎県宮崎市、代表者:代表取締役社⾧ 吉田 徳之)の全株式を取得し、完全子会社化しました。ゴムパット業界のパイオニアとして、確かな品質と実績を誇るアートジャパンの加工技術と顧客基盤を活用し、DAISOグループが展開する建機部品事業の強化と企業価値向上を目指します。また同社は本件を皮切りに、M&Aを活用した事業拡大を積極的に行っていくと述べています。

そこで今回のM&Aに至った背景についてお話を伺います。

― M&Aを検討されたきっかけについて教えてください。

DAISOホールディングス株式会社 代表取締役 川口 宗一(以下、川口氏):
弊社では新たに中期経営計画(中計)を策定し、既存事業をより一層強化していくことはもとより、建機業界へ提案の幅を如何に広げていくかを模索していました。その中で、アートジャパン社が有する独自の技術と、そのマーケットに強く関心を持つようになりました。

アートジャパン社との最初の出会いは2020年頃。当時、弊社常務の杉本がご紹介を受けたのですが、当時はタイミングが合わず、具体的な話には至りませんでした。今回、ご縁が再び繋がり、こうして成約に至ったことを大変嬉しく思っています。

― アートジャパン社として、今後の取り組みについてお聞かせください。

アートジャパン株式会社 代表取締役社⾧ 吉田 徳之(以下、吉田氏):
弊社は、世界で初めて建設機械用のゴムパッドを製造し、ゴムの成型からアフターフォローまで一貫して手がけてきました。しかし、時代の流れとともに、海外からの安価な製品の流入や、石油価格の高騰といった環境変化により、苦しい局面も経験してきました。

これからは「良いものをつくる」という基本姿勢は変えずに、生産量や製品のバリエーションを増やしていくことが重要だと考えています。今回、DAISOグループという新たなパートナーを得て、挑戦できることの幅が一気に広がったと感じており、非常に楽しみにしています。当然、その分しっかりと成果で応えたいと考えています。

― PEファンド(株主)から見た今回のディールについてどのように感じられていますか。

株式会社日本投資ファンド 執行役員 投資部長 岡崎 俊亮:
アートジャパンとしては、新製品を含めて色々挑戦していきたい思いはありました。ただし単独では難しい部分も感じていたので、新たな株主へのバトンタッチの必要性も同時に感じていました。DAISOグループと一緒になることで挑戦できる幅が広がると感じています。

― 両社の工場や製造現場をご覧になって、どのような印象を持ちましたか?

川口氏:
最初に感じたのは、アートジャパン社の社内の雰囲気の良さです。吉田社長と社員の距離が近く、しっかりとした信頼関係に裏付けされた風通しの良い組織だと強く感じました。

吉田氏:
これまでゴムや金型の製造会社を見学する機会はありましたが、DAISO社のような金属加工を中心とした工場を見るのは初めてでした。自動化が非常に進んでおり、作業環境も整理整頓されていて、同じものづくり企業として非常に刺激を受けました。

― 最後に、今後の展望についてお聞かせください。

吉田氏:
これからも「ものづくり」を追求し続けていきたいと考えています。より大きな製品等にも取り組むために、設備投資も積極的に検討しながらアートジャパンを成長させ、新たな株主の期待にも応えていきたいと思っています。

当社は、建機用ゴムパッド業界でパイオニアとして歩んできた実績があります。今後も、ゴムパット製造企業としての地位をより確かなものにしていきたいです。

川口氏:
今回のアートジャパン社との提携により、弊社は新たな事業領域へと展開するきっかけを得ました。今後は、同社の技術を活用したゴム製品の開発にも注力していきたいと考えています。

また、DAISOグループとしては、顧客へ様々な価値提供が可能となるべく、更なる成長を図ってまいります。

DAISOホールディングスからスピカコンサルティングへのコメント

昼夜問わず素早いレスポンスで対応いただき、弊社に対するパートナーとして、信頼感を持って真摯に向き合っていただきました。

製造業に特化しているため、ビジネス理解、業界理解、検討ニーズの理解などスピード感を持って進めることが出来ました。
最も良かったのは、弊社の要望に対して案件の早期実現化を進めてくれたのが心強かったです。

担当者からのコメント アイコン担当者からのコメント

松栄 遥
今回のM&Aは、製造工程の自動化を強みに持つDAISOホールディングスと、老舗メーカーとして長年の信頼を築きながら大手建設機械メーカー向けにゴムパッドを製造してきたアートジャパンとの資本提携です。アートジャパンの現場には自動化によって効率化できる工程が多数ありました。一方、DAISOは建機業界で順調に売り上げを伸ばしていたものの、大手建機メーカーへの新規取引先開拓には課題を抱えていました。そのため、両社が手を組むことで、それぞれにとって明確なメリットが生まれました。創業者からファンド、そして産業を牽引する事業会社へと、三者のバトンリレーによって企業の未来が託されていく——まさに事業承継型M&Aの成功例であり、我々アドバイザーにとっても大変感慨深い案件でした。今後の両社のさらなる発展を心よりお祈りいたします。
担当者:松栄 遥部署:製造業支援部役職:取締役

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